場面かんもく症とは ーー和さんとの出会いーー
【場面かんもく症(場面緘黙症)とは】
本人に言葉を理解し、話す能力があるが、特定の場所で声を出すことができなくなる不安症。人見知りでも病気でもなく、『症状』である。
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私が初めて
やまとさんに会ったのは、
共通の知り合いを介して参加した
ぺーたーず(http://paters3.com/)でのイベントでのことだった。
「こちらは、和(やまと)さん」
「少し喋るのが苦手なんだ」
そう紹介をされた やまとさんは、
少し困ったような笑顔を浮かべながら、
何も話さずにただ頷いていた。
その日、やまとさんは
チェックのシャツと、赤いタートルネックの上に、紺のセーターを重ねていた。
「その服の組み合わせ、素敵ですね。」
そう私が話しかけると、
やまとさんは、少し恥ずかしそうにして、
けれどやはり何も口には出さず、ただ笑っていた。
あの時はわからなかったけれど、
今思い返すと、わかる。
やまとさんは、
『初めて訪れた』ぺーたーずというあの場で、
細心の注意を払っていたのだと。
この日、私は初めて
やまとさんを通し、
生まれて初めて、『場面かんもく症』について知ることになった。
奇しくも、
「いろんな人・いろんなコミュニティの人と繋がろう」
というコンセプトのイベントで出会った
不思議な御縁だった。
<参考>
「Cafe & Bar PATERS」http://paters3.com/#about